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Solo Prowler Geist
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未だ、迷走中。

by DunkelFanG_Ez00
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切り株にミートパイを叩き付けるこの俺
ライオン肉団子の効果って、火属性DOTじゃなくてDDだったのな……。
賢者石取りが少しでも楽になれば、と思ったのにこれじゃ作り損だぜ!

というわけで皆様こんにちは。
毎度お馴染み『Solo Prowler Geist 』でございます。






『利き肉対決』

「さて、ここに三つの焼肉料理を用意した。諸君らにはこれらが
 何の肉かを当てて貰うことに……」
「肉なんて喰っちまえばどれも一緒じゃん?」
「黙れ。さて、この三つは肉の形、調理法、焼き加減、盛り付け、
 いずれも同様になっている。一見しただけでは見分けは付かん」
「それじゃどうしようもねぇじゃねぇかよ。莫迦かテメェは?」
「黙れ。諸君らも焼肉通を自称するならば、見た目に惑わされず
 利き肉が出来るようでなければ困る!」
「困るって、誰がやねんな?」
「スポンサーであるシレーナ様だッ! 海に沈められたくなければ、
 この題目を見事解き明かしてみせろ!」

シレーナの名を聞いて、四人の顔はサッと蒼褪めた。

否、唯一人、蒼褪めながらも落ち着き払って利き肉を始めんとする
者がいた。

「うかがいますが」
「何だね?」
「調理法は原則的に塩焼きのみなのですよね?」
「そう聞いている」
「ならば解けたも同然だ。皆さん、突破口は開けましたよ!」

そう言いつつ、男は早くも皿の一つの肉に切り込みを入れ、切れ端を
一片、口に運ぶ。

「やはり、そうだ……」
「やはりって、何がやねんな?」
「確かに見た目も調理法も一緒ですけど、絶対に誤魔化せない部分が
 唯一つだけあるんです!」
「勿体付けねぇで早く言え! 一体何なんだよそりゃあ!?」
「肉特有の臭みですよ。塩焼き程度では、そこまで誤魔化すことは到底
 不可能な筈です!」
「確かに……臭みのある肉だと何かに漬け込んだりして臭みを取って
 から調理するじゃん?」
「そう。しかし、今回の場合はそれが無い。それにもう一つ、肉の噛み応え
 からも多少は分かるかもしれません。試しに食べたこの肉ですが……」
「どうなん?」
「特有の強烈な臭みに加えて、筋繊維の筋張った噛み応えが強い……。
 これは間違いなく鹿の肉だ!」
『おおおーッ!』

見事鹿肉を解き明かした男は、即座にもう一つの皿の肉に取り掛かる。

「ううむ、鹿ほどの臭みも筋張った噛み応えも無いですが、鹿肉以上の
 充足感と、この独特の風味は間違いなく熊の肉です!」
「すっ、すごいやんアイツ」
「うむ。流石に『蝦夷の餓狼』と恐れられた男だ。一味も二味も違う」
「俺達も負けてられないじゃん?」
「よし、最後ぐれぇは当ててやろうぜェ!」

かくして、四人は最後の皿に取り掛かった。のだが、

「なんやねん、この肉」
「うーん、鹿と熊の後だと妙にサッパリした感じはするじゃん?」
「かと言って、臭みが無い訳でもねェが、筋張った感じはしねェ」
「ううむ。これは私にも分からないです。感想は皆さんと同じなのですが、
 何の肉かまでは」

鹿や熊に比べて充足感が弱い肉となると、そう多くは無い。

しかも、蛇や蝙蝠といった小形動物の肉ではステーキ状の形に形成する
ことは困難である為、自然と除外される。そうなると残るは、

「犬か、猿やんな?」
「けど、その二つは充足感の面では大して変わりは無いじゃん?」
「肉質にしてもそうだ。二種とも雑食には変わりは無ェ……。となれば
 肉に臭みも出てくるが……」
「食べた感じでは、筋張った噛み応えは感じられませんでした。
 とすれば、答えは……」

『猿肉!』

四人が同じ結論に達し、揃って答えを唱和したその時、部屋中に
紅い光が満ちたかと思うと、部屋の床が突如ガバリ、と開き、四人は
遥か下方に覗く海へと落下して行ったのだった。



「あの方達、臭みと肉質に目をつけたのはなかなかでしたけど」

部屋の壁を隔てて、下に押したレバーから手を引き、壁に寄りかかって
腕を組んだ女性が一人、呟くように言う。

「どの部位を使っているか、までは考えが及ばない辺り、まだまだ
 わたくしが求める理想の人材には程遠いですわね」

シェル・レランの元締め、シレーナ様その人であった。

「カマロン、次の査定はいつ頃に?」
「人が集まり次第すぐにでも。しかし、シレーナ様」
「何かしら?」
「そろそろこの辺で止めておかなければ、色々と嗅ぎまわられる恐れが
 ございますが……」
「構いません。わたくしの理想の前には、そのような些事、何の障害にも
 なりはしませんわ! ホホホホホホホホホ!」
「ははっ、御意のままに」
by DunkelFanG_Ez00 | 2007-11-25 16:39 | MoE書き殴りSS・小咄編