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Solo Prowler Geist
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未だ、迷走中。

by DunkelFanG_Ez00
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『ワラゲッチャーV vs ワルゲッチャーV 第三部・紅蓮の復讐鬼(Part3)』
いやはや、既に前回から一ヶ月以上、またまた間が空いてしまいました……。

なァ、もう月間ペースじゃねえのかってくらいに遅いですよ? その割に内容薄いし。

あー、すいません。当方がMoE内でキャラの再構築したりとか、DDOにハマッたりとか、
何故か絵を描き出したりとかと、色々ございまして。

あー、あのヘボ絵ですか。また気紛れで下書き同然の絵を上げようと?

ちゃんとペン入れぐらいはしますよ! いい加減トップのプロフ絵も変えたいし。

アレってDAoCのBlog時代の使いまわしですよね……。

ええ、どうせここだけじゃなくmixiでも使いまわしてますよ!(逆ギレ)
まあいい加減そちらも変えようとは思うんですが……。

さて、長々と前書きばかりでは何なので、本編に入りましょう!
第三部Part3、スタートですッ!




【Interlude】

その頃、ワラゲッチャー本部には……誰もいなかった。

あの戦いから数ヶ月、彼女等はこの本部に集まることが殆ど無くなっていたのである。


ブルーは、己が剣技を磨く為、あらゆる時代を超越した武者修行に専念していることが
目撃報告から分かるが、一つ所に留まる期間が非常に短い為に消息が掴めず、

グリーンは一時期、ラスレオ大聖堂の書庫に篭って何事かを調べていたようだったが、
その後、彼女の目撃報告は無い。

ピンクは、以前から夜間バイトで入っていた酒場のキッチン担当の仕事を昼間にも入れ、
己の職務に精励していた。

ブラックは生来のフットワークの軽快さと、野生をもって各地を放浪し、サバイバルな
生活を送っているらしいことが、各地での目撃情報で分かる程度で、

イエローは何をする訳でもなく、回廊入口付近にあるストーンサークルの石柱に腰掛け、
一日中空を眺めている日々を送っていた。


誰もが、何かせずにはいられなかったのだろう。あの凄惨極まりない戦いを忘れるが
如く、各自が何かに没頭し、互いに顔を合わせることを避けていた。彼女等は携帯を
各自で所持していたが、自ら携帯を鳴らそうとする者もいなかった。

ただ、ひたすらに忘れようとしていた。

忘れなければ、自分達の戦いの意味や、自分達の掲げる正義が揺らいでいることをも
思い出してしまいそうだったから―――。



【Scene27 : 正体】

「話せと言われて、話すようなタマに見えるのかい。アタシが」
「だろうな。だが……」

医師はそう言うと、手に持った銃を掌中で一回転させ、その銃口を双子の塔の右側、
つまりは、褐色肌の女の姉がいる塔に向けたのである。

「私が何も感じない朴念仁だと思ったかね。そこの白いのを動かすのにあそこから
 何らかのエネルギー体が放たれたことなど、とっくに気付いていたさ。だが……」

医師は銃口を女に戻すと、眼に殺意の光を浮かべつつ言った。

「私の目的は、あくまで貴様等の正体と研究の内容を直接訊き出すことだ。殺して
 しまってはそれも果たせまい? もっとも、貴様を半殺しにしてその脳味噌から直接
 情報を引き出すことは造作も無いことだが、それでは品が無さ過ぎる」
「一体、何の為にそんなことを知りたがる! 知ったところで、貴様には何の意味も
 為さないものだ!」
「さて、どうかな。私は医者だ。戦場という戦場を渡り歩く、悪党専門のな。今まで
 私の診た患者の中には、手足をもがれた奴や視聴覚をやられた奴、全身に大火傷を
 負って水風船のように膨らんで死んでいった奴もいた……」
「それがどうした!?」
「わからないのかね? 貴様等の持つ技術があれば、並の医師がサジを投て棄てる程に
 絶望視された患者を助けることが出来るかもしれんのだよ? ホムンクルスの生体を
 人体に移植するという、貴様等の創りあげた技術をもってすればね」

医師は構えていた銃を下ろし、陰りを含んだ表情を浮かべつつ、先を続けた。

「私は医者として、いや、人々の中で生きる者として、この島に住まう者達を救いたい、
 ただそれだけなのだよ……」
「そんな世迷言を信じろってのかい!? お前みたいなバケモノの戯言を!」
「バケモノだからこそ、この世界に居場所を与えてくれた住人達に報いたいのだ。
 それを信じてくれとは言わん。だが、私が貴様等の創り出した技術をもって島の
 住人達を救うことで、貴様等の技術が正しきものであると彼等に証明出来れば、
 貴様等もこのような僻地に隠れ住むことなく、堂々と日の下を歩けるように
 なると思うのだがね」
「…………」

紅衣の医師の言葉に、彼女は心を動かされつつあった。確かに彼の言うことに間違いは
無い。彼女はこの医師に賭けてみたいという衝動に動かされつつあった。だが……。

(姉さん、どう思う?)
(言葉に嘘は感じられないし、ウィズの嗅覚もそう判断してる)
(なら、全て話してみるかい?)
(けど、あの男の本質は邪なるモノよ。私の見立てでは、混沌に属する生命体……)
(それが……?)
(今は何らかの方法で、己の本性を抑えているようだけど、それは永久にというわけ
 じゃない。いずれは本性を抑えられなくなり、己の持つ技術を邪悪なる業に還元、
 破壊と混乱を撒き散らす災厄となる)
(そんな! そんなことって……)
(だから、私達の創り出した技術を伝授するわけにはいかないわ。私はこの魔技を
 解呪するロジックを探ってみるから、貴女は彼と話して時間を稼いで)
(その後は?)
(残念だけど、殲滅するしかないわね。じゃあ、お願いね)
(わかったよ……姉さん)

「何を会話しているのだね?」
「!」

見れば、何時の間にか紅衣の医師が褐色肌の女を見下ろしつつ、右手に持つ
凶銃の銃口を眉間に突きつけている。

「何を言って……」
「内容までは聞き取れんが、貴様と白い奴との間で何らかの念波が交信されていること
 ぐらいは分かる。何を企んでいるかは知らんが、そちらが素直に話す気が無いのなら、
 こちらも本気だということを……」

医師は銃口を塔に向けると、躊躇する素振りも見せずにトリガーを引いた。

「証明するまでだ」
(ウィズ! お願い!)

白いエルモニーの思念を受けた黒猫が、自らを液状化して触手の拘束から逃れ、
音速を超える速さで塔へと撃ち込まれた弾丸に迫ると、実体化して弾丸を食い止めた。
だが、着弾と共に中空に黒い球体が形成されると、黒猫の肉体はそれに飲み込まれ、
球体が萎んでいく度に骨肉の粉砕する音を立てながら、球体と共に消滅していった。

「モラ族が創り上げた時空転移術の応用だ。転移の際に起こる転移対象の情報の細分化、
 そのプロセスを銃弾に組み込んだのだよ。炸裂した弾丸から飛び散る散弾は、方陣を
 形成して標的を飲み込んで細分化し、最後には消滅させる」
「…………」
「別生体に転移した意識体が、元の肉体を失った時にどんな反応を示すか……。
 医師としては非常に興味をそそられる話だが……、私の目的はあくまで貴様等の持つ
 技術だけだ」


「わかった。全部……話すよ」
「本当か」
「ああ。その代わり、アンタがアンタ自身の言葉を謀らないと、誓えるのか?」
「勿論だ。私の魂にかけて誓う」
「よし。では、何について訊きたい……って、訊くのも野暮か。まず私達について
 少し話した方がいいかな」
「了解だ。では、そこから話してもらおうか」
「まずアタシは、アンタが捜しているエリア・メイサルファじゃない。アタシはその妹、
 アリス・メイサルファよ」
「では、当の本人はあの塔の中か?」
「そう。あそこにいるのがアタシの姉であり、命の恩人でもある、エリア姉さん」
「命の……その身体のことか?」

医師は、彼女―――アリスと名乗った褐色肌女の左の二の腕を見て言った。
先程の戦いで投げ付けた斧が抉った傷からの出血は止まり、白い血が塊となっている。

「ああ。アタシは元々、兵士だったのさ。姉さんの所属する機関を護衛する為のね。
 だけど、あの日……」

アリスは往時を思い出すように呆然とした顔つきになりながら、訥々と語り始めた。

(つづく)
by DunkelFanG_Ez00 | 2007-09-17 17:22 | 【封印】MoE書き殴りSS・3